2009年5月6日水曜日

少女の口唇とタッチギター:映画の話題より

今ふとテレビを点けたら「レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語」(2004
年)をやっていた。しかももう終わりに近い。でもこの映画は本編と別にエンディング
ロールも楽しめるので良しとしよう。

本編の魅力
子供/家族向けのコメディとしては恐らく最も暗いトーンの映画。とても米国製作とは
思えない。1度見ると、2回目からはこの映画がおもしろどころ探しの類のものである
ことがわかるのだが、これでもかとややこしく恐怖をあおるナレーター(声:Jude
law)に最初は戸惑った。「ハリー・ポッターシリーズ」のような子供受けの小道具
も少なく、これを好きになれた子供は15才になると、もれなく「スゥイニー・トッド
~」へと進めるだろう(スゥイニー~は国内ではR15)。そんな中、毎度ながらの
怪演ぶりのJim Careyに劣らない存在感を見せているのが仕掛け好きの長女役
を演ずるメルボルン生まれのEmily Browning。撮影時16才の彼女の
雰囲気はちょうど子供の冒険以上大人の世界未満というこの映画のテーマに合っている
ようだ。決して美人さんではないが、なにか「口唇力」が凄い。本作以降、映画からは
遠ざかっていたようだが、2009年に入り活動を再開した様子。今後どのような女優
に成長していくかとても楽しみだ(多分に男性目線で恐縮だが)。

エンディングロールの魅力(1)
かなり手の込んだ切り絵風のコラージュ。切り絵の3人兄弟が本編と同様離れ離れに
なり、くっつき、飛ばされ、回転させられる。私の中ではエンディングロールBEST
5のうちの一本。

エンディングロールの魅力(2)
この1曲目"Drive Away"の音はまさにタッチギターの類でないか! 音楽
監督はDavid Thomas。サントラのクレジットを見る限りはロック系の
スティック奏者はいない模様だ。数パートをループにして使用しているようで、
ちょっとだけ残念だが、Tony Levinのソロ作などに興味がある人は是非入手
してみてください。

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