2009年6月8日月曜日

猶予はいつまで続く?:北朝鮮情勢

ここへ来て国連の制裁決議が停滞をしている感がある。中国のみならず、本国からの
指示を理由に各国が決議を渋っているのは、裏舞台での中国による北朝鮮への交渉力に
実際は期待しているところが大きいことの現われだろう。以前もここで書いたが、
「大人」は「分別」により「子供」を正したり、諭したりすることができるが、「子供
じみた」行為の場合はその本質が子供性にあるのか、子供性を表にした戦略にあるのか
を見破るのが難しい。
一方で、昨日の報道によるとオバマ政権がテロ支援再指定の検討を開始するなど、国際
社会の中での北朝鮮にとって、より大きな意味の状況変化も見られ始めている。更正
不可能な「子供」と見られる前に、もう一つの「子供」の特権である、成長を前提に
過去と決別することは、「大人」が支援できる状況にある限り難しいことではない。
「子供」にとっての屈辱的な白旗は、「大人」からみれば英知の学習であり、仲間入り
への第一歩だ。オバマ政権が健全なうちは我々は「大人」であり続けられると信じたい
が、一方で当事者は時として「分別」を忘れてしまうのでこんな状態は長引くべきで
ない。
金正日総書記の後継に三男の金正雲がほぼ決定し、長男の金正男がマカオで亡命すると
目されるなど、北朝鮮の立場からみれば現在は「脱皮中」の状態であり、2回目の核
実験以降、精一杯外敵への防御を図っているとも考えられている。かといって、国内の
飢饉状態の統制を軍事システムでかろうじて維持している状態は脱皮が終わって変わる
ものではないし、真剣に核を商売にしてイラン等の第3国との取引から国力を維持
しようと考えているのであれば、世界はそれなりの結論を出さなくてはならないだろう。
「脱皮中」のうちに、だ。

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