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2009年5月25日月曜日

見えてきたJ2の勝ち方:今節のサッカーより

昨日をもってJ2の第1クールが終了した(今シーズンは1クール総当り17試合、
3クールの計51試合)。4位甲府と5位水戸は勝ち点差がすでに6もあり、特定
の上位チームが勝ちぬけている様相がわかる。これは得失点差からも裏づけされている。
上位3チームの得失点差は試合数を上回っており、これは各試合平均して必ず1点以上
差をつけていることになる。

2005年の甲府(J2 3位ながら入れ替え戦で歴史的大勝を収めJ1昇格)、昨年
の広島の例のように、圧倒的な攻撃力を武器にしたチームは多少の守備の弱さを
もろともせず勝ち続けられる土壌がもともとJ2にはある。さらに昨年くらいから
「前線からの守備」が世界的な傾向になっていることも合わせ、このふたつを
組み合わせることがJ2レベルでの一つのチーム作りと言えそうだ。MFの香川、乾
という日本代表クラスの2人が得点ランキングの上位にいるというセレッソ大阪が典型
だろう。

今シーズンの昇格組みである広島と山形のJ1での活躍を見ると、もともと予算に
厳しい中揉まれているのでタレント主義でない、戦術型のチームが出来上がるという
言い方もできるかも知れない。数年後J1チームの顔ぶれがどのようになっているか
楽しみだし、ひょっとしてそのことが日本サッカーを大きく変えているかも知れない。

2009年5月22日金曜日

バランスを保つもの:インターネット社会の新たな情報統制

サーチナというサイトをご存知だろうか。日中の文化を越えた相互理解を理念とする
情報ポータルサイトで、韓国の情報も取り入れながら、一つの東アジアリージョンの
情報共有を目標としているようだ。金融情報や企業情報のニュースサイトとしての
使命とともに、オリジナル言語のブログ記事などを日本語に翻訳して、日中間の文化
障壁や精算問題などもさらりと触れていてる。後者の繊細な内容については一定の
「リズム」で紹介されている。多いパターンとしては以前は問題に対して否定的だった
けれども、今はとても肯定的だ、というトーンだ。特によく日本は「褒められる」側に
あり、まるでいまはやりの「褒めサイト」を見ているかのような気分になる(余談だが、
褒めサイトをまだ試したことがないかたは是非一度、へたなセラピーやマッサージより
利きます!)。

正直言えばサーチナのこのような論点(というよりは情報報道の取り上げ方)が
ジャーナリズムとして正しいものなのかはわからない。ただ、情報の鮮度が
インターネットのスピードと同等である時代に、どちらの側に立つでなく「だそうだ」で
終わりがちな従来のマスコミの保守的なあり方よりは(皮肉な例えたが)攻撃的な改革
意識だ。

一方でこの手法はサーチナだけかといえばそうでもなく、日中間の問題に絡んで日本側
にも事を荒立てないようにする一定のコンセンサスが引かれる場合があるようだ。

今週の火曜日と水曜日にかけてACL(サッカー・アジアチャンピオンズリーグ)の
グループリーグ最終節が行われた。鹿島はアウェーで中国の上海申花との対戦。試合中
フォワードの興梠が悪質なファールを受け、救急車搬送される事態となった。また
例によって選手に対するレーザーポインターによる攻撃がスタンドからなされたとも
いう(画像では未確認)。

改めてプレイバックを見てみると、前者と後者は分けて捉えるべきと思う。今プレミア
リーグは中国での放映権を重要な市場と見ていて、大量のプレミアリーグのコンテンツ
が中国に輸入されている。そこから中国サッカースーパーリーグの選手のプレーは
かなりプレミアリーグの影響を受けているように伺えた。ただ、一連のクリスチアーノ・
ロナウドに対する執拗な足元を狙うような悪質行為をも輸入してしまっているようだ。
上海申花にとっては勝つことが上位トーナメント進出の最低条件の中、イエローカード
覚悟で全ての相手選手の足元を「狙う」指示がゲーム当初から出ていたのは明らかだ。
開始早々ボールではなく足元にタックルが行っていたので。非常に悪質だが、文化に
対する感情からくるものではなく、数年前まで中東の選手が大げさにファールを
アピールしたのと同様の、一種の「はしか」のようなものだとも考えれる(一方で
国際化という形で治療しないと悪化する可能性もあるのだが)。

だが、一部の日本のサッカーファンはそのようには捉えていない。下火になったが現在
でも本件に関して対中批判に転嫁している書き込みやブログが続いている。

被害を受けた側であるはずの鹿島や日本の一般的なメディアは本件に関して比較的
静観を保っている。ちなみに興梠は日本代表フォワードなのだが、その選手の怪我を
報道していないスポーツニュースすらある。これは一つの瞬間的な民意感情と異なる
ところに軸を置いた一つのコンセンサスといえるのではないかと思う。ちなみに骨折
ではなかったものの、まだ負傷状態にあるはずの興梠は昨日、5月から6月にかけて
行われる一連の日本代表の各試合の登録(候補)選手26名に選ばれた。これによって
上記のファンの批判は出場できない恐れのある選手を選び、自分の贔屓選手を
選ばなかったことへの岡田監督へと向かい始めている。全くファンって奴は…(苦笑)

先のサーチナには「スポーツ」のタグがない。将来日本と中国はお互いのプロスポーツ
を公平に評価できる時代が来るのだろうか。それとも特定IT技術の秘匿方向と
同様、ファイアウォールの内側に仕舞われるべきもので、永久に双方の国民感情を陽動
させる恐れのあるパンドラの匣なのだろうか。私の半分の興味はそこにある。

2009年4月26日日曜日

あれやこれや:今節のサッカーより

ブログ的には分けた方がいいのだろうけど、なにせ不精で(苦笑)。

10試合出場停止
第32節ののリーガは4月22日のミッドウィーク開催。2位のレアルマドリードは
ホームでヘタフェ戦。試合はよもやの展開で途中出場のグティの神がかり的なミドルで
86分に同点とした後、ロスタイムのイグアインのゴールによりかろうじて逆転勝利
した。終始アウェイのヘタフェに掻き回される中、「事件」は同点後の87分に発生
する。レアルマドリードのぺぺが、抜かれたエスケーロをペナルティエリア内で後ろ
から押し倒しただけでなく、倒れたエスケーロに2発のキックを見舞わせた。1度
エスケーロを気遣うが、当然のようにその後ヘタフェの選手に囲まれ、画面には
写らなかったが、その後密集の中でさらに1発あったとする報道もある。
その後の第34節のクラシコを前にして、カシージャスとカンナバーロの2人で
AS誌のインタビューにも答え、ディフェンス面の準備万端さを協調したレアル
マドリードだがそれはチーム内の動揺の裏返しだろう。
しかし10試合の停止って…。その後のインタビューで、本人は「今はサッカーを
やる気にならない」と答えたようだが、チームにすれば来期にまたがり9月くらいまで
試合に出れない選手をどのように扱うか、真剣に考えざるを得ないだろう。場合に
よってはユベントスに復帰の決まったカンナバーロの穴も含め、全く新しいコンビの
ストッパーで来シーズンを臨むことになりそうだ。

キレキレのイニエスタ
同節からバルセロナはアングリル(今シーズンから始まった連続した強豪チームとの
マッチング)に入り、セビージャとホームで戦った。自ら先制ゴールを決めた
イニエスタの大活躍により、4-0と戦前の好試合の予想を裏切る大勝で終えた。
イニエスタについては、下記の某携帯サイトへの書き込みが全てを物語っていると思う。
「イニエスタは万能ではない。全能ですね。」

Jリーグの今後をあり方見た
4月25日の磐田-京都戦(3-2で磐田が勝利)は、正直「流し」で見ようかと
思っていたが、両チームの非常に運動量の多いサッカーに目を奪われた。以前より
体型の点での日本のサッカーのスペイン化的な方向性についてここで書いているが、
特に前半はスペインサッカーのお株を奪うかの素早い展開でとても楽しめた。京都に
ついては精度の面で、磐田については素早く攻め込まれた際のディフェンスの対応
面で、かつ双方とも後半とのペース配分で課題を抱えているように見えるが、改善
できるポイントなので、今後も期待できそうだ。
にしても、スタート時のグダグタの状態から、イグノ加入後2連勝とした磐田に見る
ように、最近よく言われる韓国人ストライカーと日本のパスサッカーの相性の良さは
一理あると思う。チームのアジア人枠をもう1人増やすと、我々はさらに
スペクタクルなサッカーを楽しめるかも(いつまでたっても日本人ストライカーが育成
されない等、問題はあるだろうけど)。

「涙がでます」
第33節のバルセロナは一転してアウェイでバレンシアと2-2の引き分け。連勝記録
は7で終わった。バレンシアのホーム、メスタージャのハイビジョン放送はいつ見ても
神々しい。サンチャゴ・ベルナベウが「壁」、カンプ・ノウを「歓」とすると、
メスタージャは「光」だ。複雑な展開ゆえ、試合のMOMはと聞かれると即答は難しい
が、放送としてのMOMは解説の安永さん。ちょうどスペインから取材帰国直後という
ことで、レアルマドリードのファンデ・ラモス監督が次節のクラシコにどのように臨む
か、という話題から入った放送はバレンシアがどのようにバルセロナの攻撃を防ぐかに
焦点をあて、事実ウナイ・エメリ監督によって事前に計算された全員守備から
カウンター、という戦術通りに試合が進む(まぁ、2年前までのバレンシアであれば
「らしい」展開だ、というだけかも知れないが)。比較的バルセロナ寄りの進行が多い
WOWOWだが、この試合の放送は完全にバレンシアのホームだった。前半24分に
イニエスタとメッシのワンツーによって芸術的なゴールを決められると、「ここまで
頑張ってもダメか」感を伝え、その後43分にマドゥーロ、45分にパブロ・
フェルナンデスの連続ゴールで逆転した際に安永さんが繰り返し漏らした言葉がそれ。
こちらまで泣きそうになった。テレビでのサッカー解説に与えらる行間には、感情
むき出し形と、冷静解説形があると思うが、戦術を芸術として表現できるスペースが
与えられるというのはさすが専門性の高いWOWOWならではというところだろう。
ちなみに、試合後のエメリ監督は「満足しているが、できれば3点目に向けて後半
もポゼッションを高めたかった」とコメントしている。残念ながら(?)、アンリを
温存し、イニエスタを左WF(前節はメッシに替わり右WFで大活躍)に置いた戦術が
機能していなかった前半から、アンリを投入し、イニエスタを後ろに下げて通常布陣に
戻した後半にバルセロナが息を吹き返したとも見て取れる。今シーズンのバルセロナは
やはり圧倒的に強いのだ。
追加として、放送のハーフタイム中の特集は2004年当時のメッシ(16才)と
ボージャン(13才)。カンテラ(下部組織)で修行中の2人の対談はとても貴重な
ものになると思うので、再放送等お見逃しなく。

2009年3月23日月曜日

モンテディオへの期待:今節のサッカーより

4バック、しかもサイドバックによるアタック参加が全盛であることに、(好き嫌いは
別として)異論のないところでしょう。加えて、ドリブラー受難の時代でもあるので、
ボランチがボールを維持している間にサイドが駆け上がり、そこへパス、そこからの
クロスというのが、今の攻撃基準の一つ。

J2時代のモンテディオのサッカーはダイジェストでしか見たことが無く、正直サイドの
クロスからトップへ、という得点ラインが主体のイメージで、それは今シーズンの初戦
(対:磐田、6-2で勝利)のダイジェストを見ても変わらなかったし、自他ともにクロス
が強みといっているので、そうなんだろうなぁ、という感じでした。つまりは今風な
攻撃型のチーム。

さて、実際前節の雪中の名古屋戦ホーム、今節のFC東京戦をそれぞれ通しで
見ての印象はサイドへ展開する前のボランチでのボールの持ち方に特徴がある
チームだなぁ、という点。遠藤や中村憲のそれとも微妙に違い、前にスペースが
あれば、自分でドリブルでどんどん持ち上がるような感覚。

そして、残念ながらその特徴がどこまでJ1で通用するのか…という課題が出てきた。
小林監督の言う「攻撃パターンの単純化」という課題。
J2時代は豊田、長谷川のタレント力あるフォワードが相手DFを押さえている間、
センターハーフにも十分なスペースが与えられ、常にフォワード、サイド、アタッキング
サードとしての自身という3つのオプションを選べたのだと思う。また、相手ディフェンダー
もつられてむやみにセンターハーフにチェックに入るケースも少なくなかったのでは
ないか。

J1のデイフェンダーレベルでは、危険性の少ない状態のセンターハーフへの
チェックは少ない。むしろパスの出し手の方をあらかじめ塞ぎ、パスカットから
カウンターを狙うのは(攻撃と同様に)今風の一定基準で、この1試合半はそのような
狡猾さにまんまとはまっているところを、何とかキーパーの清水が防いでいる、という
状況のように見える。いわば「させられているサッカー」の状態というべきか。

と、これはどこかで聞いたような話。世界レベルのサイドハーフ、自チームでは活躍
しているフォワード、人選に困るほどのセンターハーフを揃え、チームサッカーを
目指すも狡猾な引いた相手にてこずり、パスカットからカウンターをチャンスを与え、
失点してしまうって(苦笑)。

是非ともモンテディオにはこの課題をクリアしてほしいと思う。モンテディオには代表
にはない、時間という貴重な資源があるのだから。そして、タレント力の強い強豪
チームには存在も解決もないこの課題の回答を、ぜひ代表にも提示してほしいと
思うのだ。

J1残留「なんて」課題で満足してちゃ、だめですよ!